死ぬ前に父親があたしに言った言葉がなぜだかふっとでてきた。
やさしかった。堅実だった。厳しかった。でもやっぱりやさしかった。
そういえば、お父さんが死んだ日も、こんな天気だったかもしれない。朝は晴れていたのに午後から雨が降って。
お父さんはなんとなく雨が降りそうだから、と傘を持っていって。なのにかえってきたお父さんの手には傘がなくてずぶ濡れで。
雨にぬれて、うつろな瞳で歩いている小さな女の子にあげた、と。そう言って笑った父の顔。それが父の見せた最後の笑顔。その夜に、突然発作をおこして倒れた。あのときほど、人を憎んだことはなかったかもしれない。
持病をもっていた。無理なんかするから、とお母さんは毎日泣いていた。お父さんが傘をあげた女の子がいなければ――――・・・。そう考える自分が嫌で、あたしは泣いた。お母さんと音葉と一緒に毎日泣いた。いつからか・・・3人とも泣かなくなった。
急に体をぬらす雫がなくなる。上を見れば、アイボリーの真新しい傘。
斜め後ろを見れば、海色の髪に水滴をつけている池沢が立っていた。
「鈴。傘忘れたの?」
「うん」
「風邪ひくよ?」
「うん」
「もうすぐテストだから休まないほうがいいよ?」
「うん」
「功一たちも心配するしさ」
「うん」
「・・・泣いてるの?」
「・・・うん」
お父さんも、こんな風にして傘を差し出したのかな。って思ったら。
女の子は、こんな気持ちで受け取ったのかな。って思ったら。
自然にあふれてきた涙。
それはとどまることを知らずに。
バケツをひっくり返したような雨の中で、小さく音も立てずにこぼれた。
黙って傘に入れたまま歩いてくれた池沢に、心のそこから感謝した。
「ここでいいよ・・・ありがと」
家の近くの年中閉まっている床屋の前で、あたしは池沢と別れた。
いらない、と言ったが、池沢はあたしに傘を渡して帰ってしまった。
家は近いから、と。明日返してくれればいい、と。それだけ言って、帰っていった。
雨はさっきより強くなっていたのに、どうしてだかあたしはスキップしたくなった。
「・・・泣いたらなーんかすっきりしたな・・・」
ずっと曇っていたのかもしれない。父が死んだあの日からずっと曇っていたのかもしれない。
雨があがったのは、夜遅くだった。
雲を切り裂いたような空とともに朝は始まった。あたしの心と、似ているような気がした。
その日、池沢は学校に来なかった。
いやん(何
やっぱ書いてる本人が暗いと物語も暗くなるのね。
おおざっぱに書いてるプロット見るとこの回は・・・大きな文字でギャグって書いてますね。
・・・・どこがギャグなんじゃいっ(本気
でもまぁいいかんじに鈴の中での池沢のポイントが上がったのでよしとしましょう(何
なんせ次回はむふふふふ・・・
最近出てなかった霞と功一もでてきます。私的にあいつら大好き。ウルトラスーパーミラクル馬鹿コンビ(長
功一は大活躍です。次回大活躍の予定です。
だってプロットに巨大文字で功一大活躍って書いてて色ペンでラインひいててまわりに金のペンで飾ってあるもん。大活躍しなかったらおかしいよ、これ。
そろそろラストスパートです。っつっても第1部の、です。これ、2部もあんのね(笑
長々と失礼しました。色々言い訳とかしなきゃなーと思ったのよ(何故
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